小学生のフォニックス・子ども英語教室選びの7つのポイント
子ども英語教室で人気の「フォニックス」学習
小学生のお子さんに英語を学ばせようと考えたときに、多くの方が注目するのが「フォニックス」を取り入れた英語教育です。
フォニックスとは、英語の文字と音の仕組みを学ぶ学習法。もともと、英語圏の子どもたちが読み書きを習得するときに用いられている方法ですが、英語を外国語として学ぶ子どもたちにも効果があり、日本でも多くの英語教室がフォニックスを取り入れています。
実際に、お子さんのために英語教室を探そうとすると、「うちではフォニックスは学べません!」という教室を探すほうが難しいのではないでしょうか。
しかし、すべての教室が同じ品質のフォニックス指導を行っているわけではありません。
スクールが「フォニックスを学べます」「フォニックスを重視しています」と謡っていても、本当にお子さんに役立つフォニックス教育が行われているかをしっかり見極める必要があります。
そこでこちらの記事では、フォニックスを重視している子ども英語教室を選ぶ際に気を付けたい7つの重要なポイントについて詳しく解説します。これらのポイントを押さえることで、お子さんに最適な英語教育環境を見つけることができるでしょう。
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フォニックス重視の英語教室選びが難しい理由
多くの保護者の方が、お子さんに最適な英語教室を選ぶのを難しく感じています。
インターネットで探すと、山のように出てくる英語教室。
ウェブサイトを見て「よさそう」と感じても、どれも同じように見える。
うちの子に合うのかどうか、よくわからない。
家から近そうな教室にとりあえず行ってみようか、どうしようか…そのように悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
フォニックスの良さはわかるので、フォニックスを重視している教室を選ぼうと思っても、どの教室も「フォニックスを学べます」と書いてあって、結局違いがわからない。
そもそも、同じフォニックスの良し悪しって何だろう…と、さらに考え込んでしまう方もいらっしゃるでしょう。
お気持ちはとてもよくわかります。
でも、「とりあえずフォニックスを取り入れている教室」を選んでしまうと、結果として効果的な英語学習につながらない、という事態に陥ってしまうことも。
ぜひ、同じ「フォニックス学習」にも違いがあることをご理解いただきたいと思います。
7つのチェックポイント
お子さんに最適なフォニックス重視の英語教室を選ぶために、以下の7つのポイントをチェックすることをおすすめします。
①教室や講師が、フォニックスの本質とデメリットを理解しているかどうか
まずは、教室や先生が、フォニックスの本来の意味とデメリットを正しく理解しているかどうかを確認しましょう。
子どもたちにフォニックスを教える意味は何か。フォニックスを教えるとどのような利点があって、どのような効果が期待できるか。これらを、教室が明確に説明できるでしょうか。
特に、小学生のうちからフォニックスを学ぶことの目的や効果を、はっきりと理解しているでしょうか。
また、フォニックスにはメリットだけではなく、デメリットもいくつもあります。それをきちんと説明できるでしょうか。そして、それを理解したうえで、お子さんがフォニックスのデメリットを上回るメリットを得られるように、正しい指導を行っているでしょうか。
「フォニックスは最高です。フォニックスさえ学んでおけば、英語で困ることはありません」のように、フォニックスを盲信している教室は大変危険です。
また、せっかく学んだフォニックスを使って、読んだり話したりする機会をレッスン全体を通して取り入れているかどうかも確認しましょう。
具体的なチェック項目
☑ フォニックスの目的や効果を明確に説明できるか
☑ 小学生がフォニックスを学ぶことの意義をきちんと説明できるか
☑ フォニックスの限界やデメリットについても理解したうえで、効果的な指導を提供しているか
💡小学生にフォニックスを教えることについて正しい理解を持っている教室であれば、バランスの取れた効果的な英語教育の一環としてフォニックスをきちんと学べる可能性が高くなります。
②教室や講師が、日本人特有の発音の課題を理解しているかどうか
次に、教室が、日本人学習者に特有の英語の発音の難しさについて理解しているかどうかを確認しましょう。
ネイティブ講師なら、正しい発音ができるでしょう。
ても、それが日本人の子どもたちにとってどのように難しいのか。なぜ難しいのか。どうすれば子どもたちが少しでも楽にそうした発音をマスターできるようになるのか。
そのような点まで踏み込んで理解していなければ、効果的な指導を行うことはできないのです。
日本語と英語は発音面で多くの根本的な違いがあります。
言語の音声の細かい違いまで理解していないと、日本人の子どもたちがわかりやすい発音の指導を受けることは難しいでしょう。
たとえば、「a」というアルファベットの音は、日本語の「あ」とは大きく異なります。
「a」と「あ」はどう違うのか。口の形や音の出し方がどう異なるのか。なぜ日本人には難しい音なのか。どうすれば正しい音で発音できるのか。
このようなことをきちんと説明して子どもたちに示し、子どもたちが発音できるように導かなければなりません。
それを、すべての英語の音に対して行う必要があるのです。
日本語の音声について理解のあるネイティブ講師か、言語学的な側面も理解したバイリンガルの日本人講師でないと実践できないことです。
具体的なチェック項目
☑ すべての英語の音の出し方を、子どもたちにわかりやすいように具体的に説明できるか
☑ 子どもたちが苦手な音は特に注意して指導に工夫しているか
☑ 日本語と英語の根本的な音声やリズムの違いを認識し、指導に反映しているか
☑ 年齢によって異なる発音習得の特徴を理解し、工夫して指導しているか
💡日本人の苦手な発音のポイントを理解し、指導を工夫している教室なら、より効果的な発音指導が期待できます。
③講師が、高度な英語の発音スキルを持っているかどうか
フォニックス指導には、教師自身の発音のスキルが極めて重要です。
これは、ネイティブ講師であれば基本的には問題がないと考えられますが、ネイティブ講師には上記の「日本人ならではの難しいポイントの理解と指導の工夫」が難しい場合が多いです。
では、日本人講師のほうが望ましいかというと、そう簡単にもいきません。
日本で英語を教えている日本人講師の発音のスキルはさまざまです。
びっくりするような奇妙な発音で英語を教えている日本人講師がいることも事実です。
お子さんの大事な英語学習の第一歩がそのようなかたちで始まることは避けたいですね。
日本人講師が教えている場合には、自分で正しい英語の発音ができる人が教えていることが大前提となります。
具体的なチェック項目
☑ 講師は、正しい英語の発音ができるかどうか
☑ ネイティブスピーカーと日本人教師の適切な配置がなされているか、または高度なバイリンガル講師を配置しているか
💡正確な発音ができる教師からの指導により、子どもたちは良質な英語の音声インプットを得ることができます。
④講師が、「見て真似して」だけではなく、具体的に発音を指導できるか
子どもの英語教育の現場では、子どもたちは先生が音を出す様子を見て、真似して発音するだけ、という教室も多いです。
しかし、これでは、子どもたちは「真似」をしているにすぎず、本当にどうやって発音が行われているのかは理解していません。
どういう口や舌の形で、どの部分を使って、どのように音を出しているのか。
難しいところは、どうすれば解決するのか。
フォニックスでは、音の出し方を具体的に指導することが重要です。
フォニックスや英語に限らず、すべての習い事や学びで、これはあたりまえのことですね。
水泳を習うときにも、「はい、真似して」と言われて動きを真似するのではなく、実際に手足をどうやって動かし、息継ぎをするのか、陸での練習も含めてコツを学ぶでしょう。
ピアノを学んでいれば、「この動きを真似して」ではなく、どうすればその指の動きができるようになるか、何に注意をすればよいか、教えてもらうでしょう。
英語も全く同じなのです。
でも、多くの教室が、正しい口の使い方、音の出し方の指導ができていません。これは、講師側の知識や経験不足が原因となっていることが多いです。
お子さんにわかりやすく、伝わりやすい音声の指導ができる教室かどうか、体験レッスンなどでしっかり確認しましょう。
具体的なチェック項目
☑ 口の形や舌の位置、音の出し方などをきちんと子どもにわかるように伝えて指導しているか。
☑ 子どもは、指導に従って、きちんと音を再現できるようになっているか。できない場合には、できるまでどのように練習すればいいか指導を受けられるか。
💡具体的な発音指導により、子どもたちは「なんとなくわかる」ぼんやりとした理解が続いたり、自己流で間違えて時間を無駄にしたりすることなく、自分で正しい発音を再現する力を身につけることができます。
⑤教室や講師は、子どもに対して楽しく有意義な指導を行う能力があるか
子どもの集中力と学習意欲を維持し、英語力を伸ばせるようにするためには、子どもの興味関心をひきつける、楽しく興味深い指導法が不可欠です。
フォニックスは、機械的に文字と音のルールを学ぶだけでは、つまらなく、面白みのないルーティン的な学習になりがちです。
でも、工夫次第では、子どもたちが夢中になって自分の体を使って音を出す経験を楽しみ、英語と日本語の違いを知って、新しい発見を喜ぶことのできる、すばらしい体験になります。
特に小学生以下の子どもたちがフォニックスを学ぶときには、子どもたちが楽しく有意義に学び、その過程で、英語以外にも通用するような非認知能力を伸ばすことができるような指導が理想的です。
具体的なチェック項目
☑ 講師が一方的に教えるだけではなく、子どもたちが発見する喜びや考える時間を大切にしているか
☑ 子どもたちのやる気や達成感を刺激するような指導を行っているか
☑ 子どもたちがフォニックスを学ぶ意味を理解し、自分のスキルとして使えるような機会があるか
💡楽しく有意義な学習環境は、子どものフォニックス学習、ひいては英語学習への長期的なモチベーション維持につながります。また、英語以外の分野にも通じる、一生使える非認知能力を伸ばせるチャンスにもなります。
⑥教室や講師は、子どもが学びやすいフォニックスのカリキュラムを採用しているか
効果的なフォニックス学習には、子どもの立場に立って、とことんこだわり抜いてつくられた、学びやすいカリキュラムが非常に大切です。
特に気をつけたいのは、「子どもたちが学びやすい順番で大切なことを効果的に学べるカリキュラムになっているかどうか」という点です。
大部分の教室が市販のフォニックス教材か、それに準じたオリジナルの教材を作成して指導を行っていますが、従来のフォニックスの指導における学習の順序は、子どもたちにとって、一番学びやすいカリキュラムとは限りません。
大手の出版社の教材だからといって安心して何も考えずにそれに準じた指導をしているような教室よりも、既存のカリキュラムを検証して、少しでも子どもたちがわかりやすい効果的な方法を採用している教室のほうがおすすめです。
もちろん、そのためには、講師が並大抵ではない知識とエネルギーを注いで研究や指導にあたっていることが最低限の条件です。
具体的なチェック項目
☑ 子どもたちが学びやすい順番や、年齢や発達に応じたカリキュラムを採用しているか
☑ フォニックスだけではなく、英語学習全体の効率的な学びの一環として、フォニックスをどのように指導すればよいか、教室や教師がしっかり考えて指導を行っているか
☑ 子どもの特性に合わせて工夫して指導できる体制になっているか
💡子どもたちが無理なく効果的に英語力を伸ばしていけるかどうかは、カリキュラムの内容や指導方法に大きく左右されます。教室側の都合ではなく、子どもたちの学習を最優先している教室を選びましょう。
⑦教室や講師が、自宅学習をサポートしているかどうか
週に1回や数回の英語学習では、学べる内容は限られています。教室での学習を補完するために必要となるのが、自宅学習。
自宅学習の取り組み方次第で、お子さんの英語力の伸び具合は大きく変わります。
そのサポートをきちんと提供できる教室かどうか、確認しましょう。
具体的なチェック項目
☑ 自宅で使える教材や復習のために必要な内容が提供されているか
☑ 保護者向けのガイダンスや勉強法のアドバイスがあるか
☑ 自宅学習の進捗を教室でフォローアップする仕組みがあるか
💡適切な自宅学習サポートにより、教室での学習効果が高まり、フォニックスを含む英語力の定着が促進されます。
これらのポイントを意識した教室選び
以上の7つのポイントは、フォニックス重視の子ども英語教室を選ぶ際の重要な指標となります。
フォニックスに関しては、これらのポイントを意識しながら教室を比較することで、お子さんに最適な学習環境を見つけることができるでしょう。
最終的には、実際に教室を見学したり、体験レッスンに参加したりすることが大切です。また、お子さんの性格や学習スタイル、興味関心なども考慮に入れて、総合的に判断することをおすすめします。
良質なフォニックス教育は、お子さんの英語力の基礎を築くだけでなく、言語学習への興味や自信を育むきっかけにもなります。
時間をかけて慎重に選んだ教室で、お子さんが楽しみながら着実に英語力を伸ばせることを願っています。
お子さんが最適なフォニックス学習をできる教室を探しましょう!
数ある英語教室のなかから、お子さんに最適なフォニックス学習ができる教室を選ぶのは大変です。
下記のチェックリストをひとつずつ確認して、お子さんにベストな英語学習環境をプレゼントしましょう。
教室選びの流れ
1. 通える範囲で、フォニックスを重視している英語教室をリストアップしましょう。オンライン学習が可能な方は、オンラインで効果的な指導を行っている教室も候補に入ります。
2.各教室のウェブサイトや資料を確認し、上記7つのポイントに関する情報を集めましょう。
3.気になる教室に直接問い合わせ、詳細な情報を入手しましょう。
4.見学や体験レッスンに参加し、実際の雰囲気や教室の様子を確認しましょう。
5.上記7つのポイントについて、ぜひ教室や先生にも質問してみてください。教室の室長が答えられても、先生が答えられない場合には、意味のないことが多いです。
6. お子さんと一緒に教室選びについて話し合い、意見を聞きましょう。
これらを総合的に判断し、最適な教室を選択しましょう。
フォニックスを通じた英語学習は、お子さんの将来に大きな可能性を与えてくれます。
ぜひ、この記事を参考に、最適な英語教室探しを始めてみてください。
お子さんが楽しく有意義な学習経験を通じて、英語力を伸ばしていけますように!
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