小学生から目指したい・相手に〇〇〇〇を与えない発音

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小学生から目指したい・相手に〇〇〇〇を与えない発音

英語の発音、どこまでがんばる?

英語経験ゼロの子どもたちが初めて英語を学び始めるとき、学習することはたくさんあります。

そのなかのひとつが「英語の発音」です。

日本語とは全く違う口の動かし方、音の出し方、音のつなげ方、音の強弱。

子どもたちが新しい発見を楽しみながら学べるように設計された指導ならば、子どもたちは日本語と大きく違う英語の発音の学びを大いに楽しむことができるでしょう。

でも、指導法次第では、英語の発音に最初から苦手意識を抱いてしまうお子さんも。

お子さんが英語の発音をどの程度がんばればよいのか、悩んでいる保護者の方も多いと思います。

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発音はひとつの要素に過ぎないけれど…

確かに英語の発音は、話す・聞くというコミュニケーションの基本となるもので、非常に大切です。

音声学的に英語と親和性の低い日本語を母語とする子どもたちには、英語の発音を基礎からしっかり学ぶことが必要不可欠です。

発音の学びをおろそかにすると、将来英語で意思疎通が取れないという難しい状況に陥ってしまうでしょう。

一方で、英語の発音は総合的な英語学習の中のひとつの要素に過ぎません。

発音だけを徹底的に練習しても、それだけでは十分な英語力は身につきません。ほかの要素もまんべんなく習得することが必要です。

では、子どもたちは、発音練習をどの程度行って、どのレベルの発音習得を目指すべきなのでしょうか?

完璧な発音 vs. コミュニケーション重視

多くの英語学習者や指導者が直面する問題に、「完璧な発音」を目指すべきか、それとも「コミュニケーション重視」の姿勢を取るべきか、というジレンマがあります。

ネイティブスピーカーのような発音を身につけることは、確かに理想的かもしれません。

しかし、それを追求するあまり、英語を話すこと自体に恐怖心を抱いてしまう学習者も少なくありません。特に小学生の場合、完璧主義に陥ると、英語学習全体に対する意欲が低下してしまう危険性があります。

また、世界では英語を母語としない人々のほうが多いなかで、必ずしもネイティブスピーカーの発音がコミュニケーションに最善とも限らないという事実もあります。

かといって、発音を軽視しすぎると、将来的に国際的なコミュニケーションの場面で困難に直面するでしょう。特に、日本語を理解しない相手とコミュニケーションを取る際、不明瞭な発音は大きな障壁となりかねません。

この問題に対し、中目黒スマイル英語教室では、「相手にストレスを与えない発音」を目指すという方針のもとに生徒さんに指導を行っています。

発音の壁

講師である私も最初は外国語として英語を学んだため、英語の発音に悩む学習者や子どもたちの気持ちはとてもよくわかります。

日本語と英語では音素体系が大きく異なるため、多くの日本人の生徒さんにとって、英語の発音は大きな壁になってしまうのです

一般的には、日本人には「l」と「r」の区別や「th」の発音が難しいことは知られていますが、それだけではありません。

英語の母音や子音は、日本語にない音なので、正確に発音することは大人でも難しく、柔軟性を持っている子どもたちにとっても大きなチャレンジになります。

また、英語のリズムやイントネーションも、日本語とは大きく異なります。

日本語がモーラ(拍)を基準とするのに対し、英語はストレス(強勢)を基準とするリズムを持ちます。この違いに慣れるのも、一朝一夕にはいきません。

こうした困難に直面し、「自分には英語の発音は無理だ」と諦めてしまう方も少なくありません。

しかし、完璧を目指す必要はないのです。

大切なのは、相手に伝わる発音を身につけること。そして、その過程を楽しむことです。

「相手にストレスを与えない発音」

中目黒スマイル英語教室では、「相手にストレスを与えない発音」を目指すことを提案しています。

ここでいう「ストレス」とは、「この発音は、何と言っているのだろう?」と相手を混乱させてしまうような状況を指します。

たとえば、「I’m going to the vet tomorrow(私は明日獣医さんに行く予定です)」と言いたいケースを考えてみましょう。

でも、この「vet」の発音は日本人にはなかなか難しく、「bet」と発音してしまう人は大勢います。

「vet」(獣医)を間違えて「bet」(賭ける)と発音してしまうと、「I’m going to the bet tomorrow」になってしまいます。

「I’m going to the bet tomorrow」は文法的にも不完全なので意味がわからない文ですが、もしかすると、これを聞いた人は、「明日は賭け事をしに行くのかな」と推測してしまうかもしれません。

まさか、相手が「vet」を「bet」と間違えているとは思いもよらないからです。

このような無駄な誤解を生まないように、最低限の発音は習得しておく必要があります。

必ずしもネイティブの発音である必要はないですが、相手が混乱しないレベルの発音が必要でしょう。

「相手にストレスを与えない発音」は、コミュニケーションの基本である、相手を尊重する考え方や思いやりがベースになっています。

効果的な発音指導

「相手にストレスを与えない発音」を指導する際に必要なのは、理想的には、英語を母語とする国や母語としない国でさまざまな母語の人と英語でコミュニケーションを取った経験のある講師が、どこまでが現在また今後の国際社会で「相手にストレスを与えない発音」なのかを見極める耳を持っていること

そして、「相手にストレスを与えない発音」を指導できる能力があることです。

生徒さんが子どもでも大人でも基本的な考え方は同じですが、小学生のお子さんに対する指導として、一番効果的なのは、英語の文字と音の仕組みを学ぶフォニックスの学習でしょう。

日本人として難しい発音は何か。その発音ができるようになるためにはどうやって指導すればわかりやすいか。困っている子どもたちをさらにサポートする方法は何か。

そのようなことを知り尽くしたバイリンガル講師が、自分の経験や実世界の現状と照らし合わせて、子どもたちが生きていく未来に必要な最低限(およびそれ以上)の英語の発音を指導できること、これが必要です。

子どもたちが将来、英語を活用する場面

英語を話している相手が日本人だったり、日本語を理解する人であれば、「日本語っぽい英語」や「日本語のアクセントが抜けない英語」は伝わりやすいです。

私も海外で暮らしていたとき、日本語のような英語を話す人が、英語が通じなくて困っている場面に遭遇したことが何回もあります。発音のせいで通じなかったり、文の構造上の問題で通じなかったり、原因はいろいろありました。

そういう場合、私には同じ日本語話者としてその人が何と言いたかったのか、どこを、間違えているのかが、よくわかりました。

そんなときには、その日本語のような英語を正しい英語にして、簡単な通訳をしていた経験もありました。

でも、日本語がわからない人には、日本語のような英語や、日本語の考え方をそのまま英語の文法に当てはめてしまう英語は、わけがわからないことが多いのです。

今の小学生が将来、英語でコミュニケーションを取る相手は、日本語がわからない人である可能性が高いでしょう。

相手が世界のだれであろうと、お互いにストレスのないコミュニケーションができれば理想的ですね。

ここでは、必ずしもネイティブの発音がそれに最適とも限らないのです。

私がシンガポールに住んでいたときには、ネイティブの発音は現地の人に通じにくいことがわかり、「英語から、わかりにくいネイティブの発音の要素を引き算する」という工夫をすることで、コミュニケーションがぐんと楽になった経験があります。

自分たちにとって英語が外国語であるからこそ、私たち日本人は、英語がわからないもどかしさを理解できるし、相手にとってわかりやすい英語を話す必要性も認識できるのです。

英語とは大きく異なる日本語を母語とする日本人ならではの強みですね。

中目黒スマイル英語教室では、この考え方をベースに、小学生が一生使える英語のベースが構築できるように英語を指導しています。とてもやりがいのある取り組みです。

「相手にストレスを与えない発音」の学習で、バランスの取れた発音力と、実践的なコミュニケーション能力が両立できるのです。

ご家庭にお勧めしたいこと

発音の上達には、日々の練習が欠かせません。

教室での学習に加えて、ご家庭でも頻繁に復習したり、簡単にできる発音練習を行うことをお勧めします。

また、保護者の方はぜひ、お子さんと一緒に英語の発音の学習を楽しんでみてください。

お子さんの新しい発見を一緒に喜び、楽しむことができると思います。

そして、ときにはお子さんに「先生」になってもらって、教室で学んだことを保護者の方が教えてもらってください。

お子さんが正しく「先生」の役割を果たすことができれば、お子さんが自分でもきちんと理解ができている確認にもなります。

英語の発音の学びは奥が深く、とても興味深いものです。

保護者の方も、お子さんと一緒に英語の発音の旅を楽しみましょう!

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