小学生の英会話力を伸ばす方法
「考えなくても口から出る英語」
普段、こちらブログでは、小学生のうちに身につけておきたい
フォニックスや文法についてお伝えすることが多いのですが、
私の教室では 英語を「全方面から」伸ばすこと を大切にしています。
「英語を話せるようになること」も、とても大切な目標のひとつです。

保護者の方からも、
「会話力はどうやって伸ばせばいいでしょうか?」
というご質問を本当によくいただきます。
こちらのブログで、
言語習得に関する研究と
小学生英語専門の現場での実感の両方をふまえて、
👉 会話力を伸ばす正しい方法
をお伝えします。
今回の記事を、より詳しく動画でご覧になりたい方は コチラをクリック
結論:会話の初期段階で一番大切なこと
結論からお伝えすると、とてもシンプルです。
スピーキングの初期段階では、
「型(決まった言い方)」を丸ごと覚えることが、非常に効果的です。
これはつまり、
「考えなくても口から出る状態」を作るということ。

これは感覚論ではなく、
第二言語習得研究でも、教育現場でも裏付けのある考え方です。
なぜ「型を覚える」と話せるようになるのか?
ここからは、理由を 2つの観点 からご説明します。
① 英語は「チャンク(かたまり)」で覚えるほうが話しやすい
第二言語習得研究では、英語を話すときに
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単語を一つずつ思い出す
-
文法を頭で組み立てて話す
よりも先に、
意味のある「かたまり(チャンク)」として覚えるほうが、
会話がスムーズになる
と言われています。
たとえば、小学生が学校の英語の時間でよく練習している、
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How are you?
-
I like ~
-
I don’t like ~
-
Let me ~
こうした表現は、なにも考えずに言えるというお子さんが多いですよね。

この「考えずに言える表現」が増えてくると、会話が回り始めます。
② 小学生には「同時処理」が重すぎる
会話中、子どもたちは同時に
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何を言うか考える
-
単語を思い出す
-
文法を組み立てる
-
発音する
ということを、一気にやろうとしています。
英語を話すのに苦労している方は、これは難しいことがお分かりいただけるでしょう。
小学生には負荷が大きすぎます。
では、型を覚えているとどうなるでしょうか。
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文法を考えなくていい
-
語順を迷わなくていい
その分、
「何を伝えたいか」に意識を向けられる
ようになります。
これが、「会話らしい会話」になる瞬間です。

たとえば、こんな表現
たとえば、
「明日は〇〇する予定なんだ」と言いたいときに
「I’m going to XX」と言いますが、
この「I’m going to」はもう覚えてしまって、
考えなくても口から出てくるようにしたいところです。
この部分を覚えずに文法を頭の中で復習したり、
忘れてしまったからといっていくら考えていても、
なかなか言葉は出てきません。
スムーズな日常会話でも、
「I’m going to」を一気に言わずに途中でぶつぶつ切って言うことはありません。
まずはこれを一言で言ってしまってから、必要なら次を考える、
という言い方のほうが自然な英語になります。
こういうフレーズをたくさん暗記して、自動的に口から出てくるようにする。
自動化できるようになったら、
学んだことを少しずつ違う言葉や表現に変えていって、
会話のレパートリーを増やす。

これが、スムーズなスピーキングのために効果的です。
ただし大切な注意点があります
ここで、とても大切なことをお伝えします。
私の教室では、
フォニックスや文法も同時に重視しています。
そのため、
ここまでお話ししてきた
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会話の型を覚える
-
暗唱する
という取り組みは、
意味の分からない丸暗記にはなりません。

「呪文のような丸暗記」にならないために
教室で扱う会話表現は、
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学んできたフォニックスの復習にもなる
-
すでに習っている文法と、できるだけつながる
という点を意識して選んでいます。
なぜなら、
これを意識しないと英語が、
「呪文のような丸暗記」
になってしまうからです。
要注意な暗記の状態とは?
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意味が分からない
-
なぜそう言うのか分からない
-
文字を見ても読めない
この状態での暗記は、
一時的には言えるようになっても、
応用がきかず、すぐに使えなくなってしまいます。

だからこそ、
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フォニックスで「音と文字」を結びつけ
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文法で「意味と構造」を理解し
-
その上で「会話の型」を増やしていく
これらを一度に行うことがとても大切なのです。
私自身の経験から強く伝えたいこと
最後に、
なぜこの方法を皆さんに強くお伝えしているのか、
その理由をお話しします。
私自身も、
英会話の練習は「チャンクで覚える」ところから始まりました。
中学時代に出会った英語の先生が、
授業の中でこの方法を徹底されていたんです。
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チャンクのインプットとアウトプット
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少しずつ内容を変えながら繰り返す
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家でも丸暗記の宿題
もちろん、文法やフォニックスも学んでいました。
当時は大変でしたが、
後にアメリカへ留学したとき、
この「型の蓄積」が本当に役立ちました。

どれだけ会話の引き出しを持っているか
ここから、会話は広がっていくと感じています。
まとめ|小学生の会話力を伸ばすために
本日のまとめです。
小学生の会話力を伸ばすために大切なのは、まず
「型」を入れて、口が先に動く状態を作ること
そしてその土台として、
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フォニックス
-
文法
で意味を支えていくこと。
これがそろって、
初めて 本当の意味での「考える英語」 が育っていきます。

この考え方が、
ご家庭での英語学習のヒントになれば嬉しいです。


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