小学生の英語学習で大事にしたい要素とは

英語学習

小学生の英語学習で大事にしたい要素とは

英語が使えて当たり前の時代に考えたい「小学生の英語学習」

英語は使えて当たり前。私たちはそんな時代に生きています。

お子さんに質の高い英語教育を受けさせたいと考えていらっしゃる保護者の方は、それを実感していらっしゃるでしょう。

そこで改めて考えたいのが、小学生の英語学習のあり方。

習い事としての「英語教室」は以前から人気があります。

でも、児童英語の従来のアプローチの中心だった「単語を覚えて、英語を話す」だけの学習には、大きな問題がありました。

小学生の英語教育において、今こそ重視したいのは、より包括的で持続可能な学習法です。

こちらの記事では、小学生の英語学習における重要なポイントと、効果的な学習方法について解説します。

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小学生ならではの英語学習

英語学習にはさまざまな要素があります。

そのなかで、いわゆる「4技能」(読む・書く・聞く・話す)を適切な順番でバランスよく習得することはもちろん大切ですし、それを使った効果的な会話練習、発表や作文など、各種スキルを伸ばしていく必要があります。

将来、英語で困らないように、小学生の時期から英語を学んでいるお子さんたちには、年齢に応じた適切な要素を、適切な順序と方法で学ぶことを強くおすすめします。

それは必ずしも従来のアプローチに準拠したものではなく、中学以降も続く英語の学習、さらには大人になってから英語を使用する際にも役立つものでなければなりません。

だからと言って、ただ単に、中学以降に適した学びを前倒しするわけにはいきません。

小学生の時期に学んでおきたいこと、今だからこそ体験したいことなどを取り入れて、小学生向けに楽しくわかりやすく英語の学びを進めていく必要があります。

英語学習を木に例えると

小学生の時期に学ぶこと

英語学習を一本の木に例えて考えてみましょう。

小学生の時期に学ぶべきものは、木のどの部分に該当すると思いますか?

小学生の時期に学ぶべきは「幹」の部分なのです。

幹がしっかりとした木は、少しくらい風が吹いても揺るぎませんし、強風が吹いても倒れることは少ないでしょう。

一方、幹を無視して枝葉の成長ばかりに注力した場合はどうでしょうか。

一見華やかに見えても、根本的な強さがないため、すぐに倒れてしまうでしょう。

「幹」の要素とは

では、この英語学習の「幹」にあたる部分には、どのような要素が含まれるのでしょうか。

「幹」として最も重要なのは、フォニックスと文法です。これらは英語学習全体の根幹を成す要素であり、英語4技能を含め、他のすべての英語のスキルの基礎となります。

フォニックスは、英語の文字と音の関係を体系的に学ぶ方法で、スピーキングやリスニングはもちろん、リーディングやライティングも、フォニックスを知っているのと知らないのでは、スキルの習得度や定着に雲泥の差が出てきます。

文法は、英語の文の構造を理解するためのルールで、正しい文を組み立てる上で不可欠です。

これらの基礎がしっかりしていれば、英語のほかの技能の習得もよりスムーズに可能になります。

「幹」の習得で気をつけたいこと

ひとつ注意しなければならないのは、この「幹」の部分であるフォニックスや文法の習得には、時間がかかり、「コツコツ少しずつ積み上げていく」以外に方法がないことなのです。

そのプロセスが面倒で難しく感じてしまい、適当にやり過ごすと、結局は力がつきません。

学んだときは理解できたとしても、復習したり粘り強く練習しない限りは定着せず、自分で使えるようになりません。

一方で、「枝葉」の部分にある英語要素は、習得がもっと簡単です。

そして、子どもたちにすれば、すぐに使えるような内容であるため、その部分を強化していくことが英語学習だと考えがちです。

たとえば、簡単な英語のフレーズを覚えると、一見、「英語が話せる!」という感じにはなるかもしれません。

でも、話している内容の深い意味がわからず、話していることを書けず、読めず、似たようなことを言いたくても応用できないので言葉が出てこない…という状況は、意味がありません。

「英語が話せる!」と思ったのは結局、呪文のように同じことを唱えているにすぎません。

枝葉は目立ちやすく、一見、英語ができる風に見える要素

でもそれは、表面的な「できる」状態であって、本当に理解しているのでもなければ、応用もできない、薄っぺらい英語力です。

枝葉を下支えする、努力と根気が必要な幹の構築こそが、豊かな枝葉をつくるための最低条件なのです。

木を取り巻く環境も豊かに

また、英語の「木」を育てるうえで、小学生の時期に取り組むのが最適な内容もあります。

ことばの探求

まずは、木の成長に欠かせない「土」を豊かに耕すこと。

「土」は、英語の木が根差す場所です。

これに該当するのが「ことばの探求」。英語はもちろん、母語も含めた「ことば」に対する感性を高めて、豊かな語学学習ができるように導く要素です。

そして、同じように木の成長に必要不可欠なのが、頭上から明るい光を注ぐ「太陽」の存在です。

「太陽」は、英語を学習するのに適したあたたかい環境

その下で、英語の木の強固な幹と美しい枝葉を育てていくことができます。

幹のない枝葉ーピアノの例

英語学習の要素を「木」にたとえてもわかりづらい、という方もいらっしゃるでしょう。

そこで、英語ではありませんが私自身が「幹」がない「枝葉」を育ててしまった実例をお伝えしたいと思います。

私は小学生のころ、ピアノを少し弾いていたことがあります。

叔母がピアノを教えていたのですが、叔母の教室には気が向いた時だけ行って、弾きたい曲を自分の弾きたいときに弾いてみるという中途半端な練習法でした。

譜面も読めず、基本的なスキルもないのですが、あるとき、叔母のピアノの発表会に参加することになりました。全然弾けないのに、なぜか、ベートーベンの「6つのエコセーズ」という、当時の私には難しい曲を弾くことになってしまいました。

そこで、必死に練習し、相変わらず譜面も読めないので音符を数えながらですが、なんとか指を動かして、最後は強弱やスピードも練習して、丸暗記のようなかたちで一応は曲を弾くことはできるようになったのです

それが、私が唯一弾ける、やや難しいピアノ曲になりました。猛練習したので、簡単には忘れません。

指の動きが多めの曲ではあるので、小学生の私がその曲を弾くと、皆に「すごい」と言われました。

でも、私はそれ以外のもっとずっと簡単な曲も初見で弾くことはできず、ピアノのイロハもわからず、その曲を弾く以外に何もできなかったのです。

これが、一見華やかな「枝葉」の状態です。

音感もなく譜面も読めず、幹となる基礎がまったくないのに、葉が茂った一本の枝を持っている状態。

時間がたって指が忘れてしまえば、曲も弾けなくなってしまいますし、忘れてしまったときに楽譜を見てもすぐには弾けない情けない状態です。

もし私が小さい頃から、「ピアノを弾くとはこういうことだ」と思ってこの方法で練習してきたら…実はピアノには譜面を読む地道な練習や指を動かす訓練がなどがあって、自分には到底及ばない世界があることを知って、ショックを受けたと思います。

これから英語がますます必要となる未来を生きる子どもたちに、私のピアノのような中途半端な枝葉の英語力はつけてほしくないと思っています。

幹のない枝葉ー英語の例

英語で言えば、次のようなケースが、幹がないのに枝葉にフォーカスして育ってしまっている木の例です。

いろいろな例がありますが、よく見かけるのは次のようなパターンです。

見たことのある単語は声に出して読めるが、見たことのない単語は全く読めない。フォニックスの学習が効果的に行われていれば、このようなことにはなりません。

「日常会話はできる」はずなのに、話している内容を応用して新しく自分で文を作り出すことはできない。文法の知識がないために、知っていることは言えても、それと違うバージョンを言うことはできません。

どちらのケースも、お子さんは、「英語ができない」自覚がそれほどありません

でも、このままの学習では、お子さん自身が大いに困った状況に陥ってしまうはずです。

効果的な学習のために

では、「幹」を中心としつつ、「枝葉」も育てていける英語学習とは、どのようなものでしょうか。

バランスの取れた学習計画

フォニックスと文法を中心に据えつつ、英語の4技能をバランスよく学ぶ計画を立てましょう。

☑ 学んだフォニックスのルールを意識しながらスピーキングの練習をする
☑ 文法を意識して作文したものをフォニックスのルールを練習しながら読む

など、各要素が相互に補完し合うよう設計することが大切です。

年齢に適した教材の選択

小学生の興味や理解力に合った効果的な教材を選びましょう。

楽しみながら多方面から考えて学べる工夫が含まれているものが理想的です。

反復と実践

学んだことを定着させるためには、繰り返し練習することが効果的です。

英語を復習する機会を積極的に作り、何度も練習しましょう。

長期的なビジョン

短期的な成果に一喜一憂せず、長期的な視点で学習を進めることが重要です。

基礎をしっかり固めることで、将来的により高度な英語力を身につけることができます。

保護者の役割

小学生の英語学習において、保護者の理解とサポートはとても重要です。

「幹」の重要性を認識し、お子さんの長期的な英語力向上を目指して、適切な学習環境を提供することを心がけましょう。

長期的な英語学習の目的を見失わず、お子さんが着実に基礎を固めていく過程を見守りましょう。

新しい学びを一緒に楽しみ、喜び、励ましましょう

保護者の方も、大きな「太陽」となってお子さんの英語学習を明るく照らす存在になりうるのです。

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