小学生のうちに英語はどこまで学べばいいの?
こんにちは。中目黒スマイル英語教室の田中彩子です。
今日は、小学生のうちに最低限学んでおきたい英語について、お伝えします。
英語は小学生からのスタートが最適!
英語が「できるか、できないか」を問われる時代はかなり前に終わりました。
「できて当たり前、使えて当然」の英語を「どのように使うか」が問われる時代です。
「いつから英語を学び始めるか」についてはいまだ意見が分かれるところですが、私は、小学生低学年からスタートするのが最適だと考えています。
英語学習を楽しむ時間的余裕があり、音声を身につける柔軟性があり、英語学習とともにさまざまな大事なことを楽しみながら吸収できる年代だからです。
このことについては、教室の公式LINEに登録してくださった皆さまにプレゼントしている特典動画のなかで、ケース別に詳しくお伝えしています。
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どこまで学べばいいの?(低学年からスタートする場合の理想論)
「小学生のうちに、どこまで学んでおけばいいですか?」と保護者の方からよく質問を受けます。
それに対して、私の教室では次の2つを「理想的には小学生のうちに学んでおきたいこと」と考えています。
1.フォニックス(英語の文字と音のしくみ)
〇アルファベットの基本の音をマスターし、すべてのフォニックスルールを学ぶ。
〇初見で文章を正しい発音やイントネーションで読むことができ、理解できる語彙や文法が使用されていれば、意味もはっきりとらえることができる。
〇フォニックスの知識を応用して、英文をディクテーション(音声を聞いて正しく書き取る)することができる。
2.文法(英語の文のしくみ)
〇基本的な文法事項を理解し、応用できるようにする。
〇具体的には、品詞、be動詞と一般動詞の使い方、それぞれの肯定文・否定文・疑問文、進行形の使い方、その肯定文・否定文・疑問文、それぞれの現在形・過去形・未来形、比較級と最上級、動名詞や不定詞、完了形や受動態、それぞれの肯定文・否定文・疑問文、それぞれの現在形・過去形・未来形。
〇さまざまな主語を使って自由自在に文を書く、言うことができる。
上記、どうお感じになりましたか?
小学生が学ぶ内容としては、ずいぶん多いですね。
これは、あくまで理想論です。
ここまでたどりつけるお子さんは、6年生までみっちり英語を続ける場合や、途中から個人指導に切り替えてどんどん進むお子さんが多いです。
小学生の時期にここまで抑えておけば、英語を木に例えると強い「幹」の部分が構築でき、その後の長い英語人生における学習や応用がぐんと楽になります。
どこまで学べばいいの?(現実的なお話)
現実的には、低学年から英語をスタートしないお子さんもいらっしゃいますし、途中でクラス変更を希望されてペースダウンしたいお子さんや、宿題がなかなかできなくて一時的に停滞してしまうお子さんもいらっしゃいます。
そういう場合には、小学生のうちに英語を学習できる時間が少なくなります。
お子さんの状況によってさまざまで、個人差が大きいですが、英語学習時間が少なくなる場合にも、フォニックスはしっかり仕上げて、文法学習もある程度まではきっちり完成できるケースが多いです。
この場合、具体的には、下記のような状態まで小学生のうちに学べると思います。
1.フォニックス(英語の文字と音のしくみ)
〇アルファベットの基本の音をマスターし、すべてのフォニックスルールを学ぶ。
〇初見で文章を正しい発音やイントネーションで読むことができ、理解できる語彙や文法が使用されていれば、意味もはっきりとらえることができる。
〇フォニックスの知識を応用して、英文をディクテーション(音声を聞いて正しく書き取る)することができる。
2.文法(英語の文のしくみ)
〇基本的な文法事項を理解し、応用できるようにする。
〇具体的には、品詞、be動詞と一般動詞の使い方、それぞれの肯定文・否定文・疑問文、進行形の使い方、その肯定文・否定文・疑問文、それぞれの現在形・過去形・未来形。場合によっては、比較級や最上級、比較級と最上級、動名詞や不定詞も。
〇さまざまな主語を使って自由自在に文を言う、書くことができる。
なお、上記の文法は、「なんとなく」の理解ではありません。自分で学んで使えるようになる範囲です。「なんとなく」理解できる範囲としては上記を超えます。
どこまで学べばいいの?(高学年からスタートする場合)
では、高学年から英語の学習をスタートしたい生徒さんはどうでしょうか。
高学年から英語をスタートするお子さんに対しては、「最低限、ここまではおすすめすること」として、次の内容をお伝えしています。
1.フォニックス(英語の文字と音のしくみ)
〇アルファベットの基本の音をマスターし、すべてのフォニックスルールを学ぶ。
〇初見で文章を読むことができ、理解できる語彙や文法が使用されていれば、意味もはっきりとらえることができる。
〇フォニックスの知識を応用して、英文をディクテーション(音声を聞いて正しく書き取る)する経験を積む。
2.文法(英語の文のしくみ)
〇基本的な文法事項を理解し、応用できるようにする。
〇具体的には、品詞、be動詞と一般動詞の使い方、それぞれの肯定文・否定文・疑問文、進行形の使い方、その肯定文・否定文・疑問文、それぞれの現在形・過去形。
〇基本の代名詞、できればさまざまな主語を使って自由自在に文を書く、言うことができる。
学習する時間が少ない分、フォニックスに関しては完成度が低くなることが多いです。
また、文法も、上記の範囲内までの学習になることが多いです。
どこまで学べばいいの?(超駆け足!6年生後半から学ぶ場合)
中学受験が終わってから、または、中学入学前に英語を少しでも強化しておきたい方からお問い合わせをいただく場合もあります。
こうしたお子さんに対しては、応急処置のようになりますが、次のような学習をご提供しています。
1.フォニックス(英語の文字と音のしくみ)
〇アルファベットの基本の音を紹介し、できる限りのフォニックスルールを紹介する。
〇フォニックスを使って読み書きする、話す、聞く、という経験をする。
2.文法(英語の文のしくみ)
〇品詞、be動詞と一般動詞の使い方、それぞれの肯定文・否定文・疑問文の構造を、現在形のみ理解する。
フォニックスも文法も、そういう学習要素があることを認識し、初歩的な内容を理解する程度にとどまります。その後の学びは、中学入学後に、学校の英語と並行しながら、先に進んでいくイメージです。
でも、この導入があるのとないのとでは、中学入学後に大きな差が出ると考えています。
こういうことを小学生のうちに学ばないと、どうなるの?
小学生のうちに学びをお勧めする範囲をお伝えしました。
では、小学生のうちにこういうことを学ばないとどうなるのか、フォニックスと文法に分けてお伝えします。
フォニックスを学ばないと、どうなるの?
小学生のうちにぜひおすすめしたいフォニックスの学び。
実際には、小学校英語のなかで少しだけ取り入れている(ように見える)学校もありますし、中学校で学びが含まれている学校もあります。
でも、学校英語のなかでは、フォニックスを深く、完璧に学ぶ時間はなかなかとれません。
小学生のうちにフォニックスを学ばないでいると、具体的には次のような困難に直面する可能性があります。
フォニックスは、英語4技能すべてにかかわる、大事な学習なのです。
〇単語の読み方がわからない
フォニックスのルールを知っていればすぐに読めるような単語も、ルールを知らないので読めません。読めるようになるためには、ひとつずつの単語を見て発音を覚えていくか、そのなかから時間をかけて自分なりにルールを見出していくか、どちらかになるでしょう。
〇発音の間違いが多い
フォニックスのルールを学ばずに英語の発音を学ぼうとすると、文字と結びつけずに耳から聞いた音がそのままその単語の発音だと思ってしまうでしょう。「なんとなく」発音している状態がずっと続き、せっかく英語を話しても通じない状況にもなりかねません。
〇リスニングが苦手
フォニックスルールで学ぶ音の違いが聞き取れず、聞いた言葉をまったく違う単語として認識してしまうことや、文脈を理解するのに苦労するケースが目立ちます。
〇スペルミスが多い
ルールを知らないので、当然、スペルミスが多くなります。聞いたままスペルしてしまったり、そもそも正しく聞き取れずにスペルしてしまったり、ローマ字のように書いてしまったり、いつまでも苦労します。
〇英語に自信が持てない
このように、英語4技能のすべてで苦労します。その結果、英語の音読などでも自信が持てなかったり、英語の授業が楽しくない、など、心理的にも悪影響を及ぼします。英語がすっかり苦手になって、モチベーションを保つのも難しくなります。
文法を学ばないと、どうなるの?
フォニックスを学んでおかないと、英語のさまざまな面でハンディが発生することはお分かりいただけたかと思います。
では、文法はどうでしょうか?
現在の日本の英語教育制度では、小学校では文法が重視されておらず、中学校に入学すると突然文法学習が始まりますが、このことは大きな問題だと私は考えています。
小学生のうちは学校でも楽しく英語を学び、「こういうものなんだな」と理解し始めていた英語学習が、中学で突然「豹変」するのです。
小学生の頃に英語を学んでいなかったお子さんが、中学入学後に英語が嫌いになったり、小学生から英語を学んではいたけれど文法を学んでいなかった場合に、中学校で文法学習が始まり、途端に英語が嫌になってしまったり…こういうケースは保護者の方から頻繁に耳にします。
最近では、中学入学後の最初の英語の試験の出来がとても悪くてお子さんが自信喪失、保護者の方はきつく叱責してしまったというお話も聞きました。
そういう場合、多くのケースで、お子さんではなく日本の教育制度に問題があるのでは、と思わざるを得ません。
こんな不幸な中学英語との出会いを避けるためにも、また、小学生ならではの柔軟な感性で言語を多方面から学ぶためにも、小学生に英語の文法学習を強くおすすめします。
小学生のうちに文法を学ばないと、具体的には次のような困った状況に陥る場合が多いです。
〇文法アレルギー
当たり前ですが、これまでに全く知らなかった「文法」が、かなりのペースでどんどん進んでいきます。知っているはずの英語なのに、文法はわからない。わからないのにすぐに次に進んでしまう。負のスパイラルに陥り、文法嫌いのお子さんが増えます。文法用語も難しくて苦手意識を感じてしまうお子さんも多いです。
〇文の構造が理解できない
簡単な文でも、品詞がわからない、主語と動詞の関係がわからない、など、「なんとなく」わかる小学生英語を卒業できず、不完全な理解のままになってしまいます。文が複雑になると、ますますわからなくなります。
〇文を正しく作れない
特に、英語ならではの名詞の使い方、語順、be動詞と一般動詞の混同、時制の理解不足などから、簡単な文でも正しく作ることができません。わからなくなったら基礎まで戻って学びなおさなければならないですが、その事実を教えてくれる人もいない場合、わからないことを放置したままどんどん学習が進んでしまって、ついていけなくなってしまいます。
〇自分の考えを英語で表現できない
文を作れないということは、つまり、自分の考えを英語で言ったり書いたりすることができないということになります。日本語のままの語順や語彙を当てはめておかしな英語を書いたり、通じない英語になってしまったり、文法力が不足しているためにコミュニケーションが成り立たないという残念な結果になってしまいます
〇理解に時間がかかる、または理解できない
文法の知識が不足したまま学習が進んでしまうと、リーディングでは、ひとつひとつの単語は知っていても、文全体の意味を理解するのに時間がかかったり、時間をかけても理解できないことが多くなります。リスニングでも、音を聞いてもその内容がすぐに頭に入ってこなくて、結局意味を把握できないケースが増えます。
〇試験で結果が出せない
文法を理解しないまま試験に臨むと、悲惨な結果になります。そこで自信を喪失したり、英語がますます嫌いになるなどの悪循環が生じてしまいます。
今だからこそ学んでおきたい、本当の理由
フォニックスと文法を小学生のうちに学ばないと、中学以降でどのような影響が出るのかについて、具体例をお伝えしました。
こうしたネガティブな状況を避けるためにも、ぜひ、小学生からしっかりフォニックスと文法を学んでおくことをおすすめします。
でも、本当は、「小学生のうちに学ばないと、こんな未来が待っていますよ」と皆さまを脅したいわけではありません。
小学生のうちに英語を学ぶ本当の意味。
もちろん、将来困らないためにという問題回避のような意味合いもあります。
でも、私の教室が本来ご提供したいのは、そういうことではないのです。
小学生のうちに英語を学ぶということには、外国語を学ぶ土台をつくるという作業を通じて、思考力を高めて視野を広げ、今まで知らなかった世界に出会って感動し、自信を高めることに醍醐味があると考えています。
それを、楽しく効果的に行えるのが、小学生の時期なのです。
一回しかない「ゴールデンタイム」に、かけがえのない経験をお子さまにプレゼントしませんか?
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