Gems English の時間
少し前になりますが、教室で Gems Englishのコンセプトをもとにしたモニターレッスンとして、最初に行ったのが「辞書アクティビティ」でした。
対象は、英語の辞書をある程度使いこなせるようになってきた、小学校高学年から中学1年生くらいの生徒さんたちです。
今回、子どもたちに提示したのは、英語辞書を使いながら、それぞれが自分のペースで進められるアクティビティ。
やり方は、とてもシンプルです。
時間を区切って、まずは一人ひとりが辞書を片手に考える時間。
そしてそのあと、一人ずつ、自分が見つけたことや考えたことをほかの人とシェア。
その繰り返しです。
一見すると、とても簡単な活動なのですが、実は私がこの形にたどり着くまでには、かなり長い時間がかかりました。
Gems Englishで大切にしたいのは、
- 全員が自分のペースで参加できること
- 一つの正解に急いでたどり着くことを目的にしないこと
- 子ども同士を比べたり、評価したりしないこと
- 「どう考えたか」「何に気づいたか」というプロセスを大切にすること
- 子ども自身の興味や発見から、学びが広がっていくこと
- 安心して、自分なりの考えを言葉にできること
です。
こうした条件を満たしながら、英語の学びとしても意味があり、しかも子どもたち自身が楽しめる活動にする。
それを考えるのは、思った以上に難しいことでした。
でも、子どもたちは、特に違和感もなくアクティビティをスタートさせたようです。
「え、もうこんな時間?」
実際に始めてみると、どの子もすごい集中力でした。
開始から30分ほど経った頃、ある生徒さんが突然、
「え、もうこんな時間? 今日は時間が経つのが猛烈速い!」
と言いました。
すると別の生徒さんが、
「熱中してるってことだよ」
と一言。
思わず笑ってしまいましたが、まさにその通りだったのかもしれません。
同じ辞書を見ても、見つけるものはみんな違う
今回は、子どもたちの発達段階を考慮し、発見や発表について、あえて細かな制約を設けませんでした。
すると、出てくるものは本当にさまざま。
ある子は言葉そのものに注目し、ある子は綴りや意味の共通点に気づき、また別の子は、そこからさらに疑問を広げていきます。
そして素晴らしかったのは、自分で辞書を調べる時間だけではなく、ほかの子の発表からも学びがどんどん生まれていったことです。
友達の発表を熱心に書き留めている子もいました。
さらに、そこから新しい質問が出たり、
「それってこういうこと?」
「じゃあ、これはどうなの?」
と意見交換が始まったり。
私が最初から用意していたわけではない方向へ、話がどんどん広がっていきました。
こういう瞬間は、サポートする側にとっても、とても嬉しい展開です。
「これ、この前別のところでも習った!」
今回、特に印象に残っている場面があります。
辞書を見ていた一人の子が突然、
「あ、これ、この前スピーキングで出てきたやつだ!」
と声を上げました。
そして、別の子が、「そういえば、〇〇(しばらく前にレッスンでやったこと)も同じじゃない?」と会話をつないでくれました。
私は、この「つながった!」という感覚を、とても大切にしたいと思っています。
英語の学びは、
「この問題の正解はこれ」
「次の問題の正解はこれ」
と、一つひとつ独立して存在しているわけではありません。
英語は、生きたことばです。
以前習った単語が、別の文章の中に現れたり。
文法で学んだことが、読んでいる本の中で見つかったり。
発音で気づいたことが、スペリングにつながったり。
辞書で見つけたことが、学校で習ったことや、日常の中で見聞きしたことと結びついたり。
学びは、一本の線ではなく、あちこちに枝を伸ばしながら、網の目のようにつながっていきます。
今回、そのことを子どもたち自身が実感してくれたことは、とても嬉しい出来事でした。
Gems Englishで、講師がすること
Gems Englishでは、講師は常に「教える人」でいるわけではありません。
もちろん、何もしないわけでもありません。
私の大きな役割の一つは、まず、Gems Englishのコンセプトに合ったアクティビティを考えることです。
子どもたちが安心して参加できて、自分のペースで考えられて、それぞれの発見が生まれる。
しかも、ただ自由にするだけではなく、英語の学びとしてもしっかり意味のある活動にする。
そのための「場」をつくることは、講師の大切な役目です。
そして活動中は、子どもたちがヘルプを求めてきたときにはサポートします。
さらに、今回のように一人ずつ発表する場面では、その子の発見をそこで終わらせず、
「それって、前に習ったこれともつながっているね」
「じゃあ、こんな言葉も調べてみたらどうだろう?」
と、一歩先の学びにつなげていきます。
あるいは、以前その子が学んだことと結びつけて、点だった知識を線にしていきます。
これは、普段から一緒にレッスンをしている講師だからこそできることでもあります。
何をすでに知っているのか。
どんなことに興味を持ちやすいのか。
どんなときに考えが広がるのか。
そうした一人ひとりの姿を知っているからこそ、その場で生まれた小さな発見を、次の学びへとつなげることができます。
「本当に驚いた」
レッスン後には子どもたちから
「いつもと違う感じであっという間だった」
「新しいことが知れてよかった」
など、ポジティブな感想が多々。
「〇〇には本当に驚いた」という声もありました。
今回のアクティビティが、心を動かしたということだと思います。
帰宅後、子どもたちが保護者の方に感想を伝えたケースもあり、
「すごーく楽しかったそうです! またやりたいと言っています」
という嬉しいご感想もいただきました。
Gems Englishが大切にしていること
Gems Englishでは、これからも、
「正解」では測れない学び
を大切にしていきたいと思っています。
自分で気づくこと。
誰かの発見から、新しいことを知ること。
以前学んだことと、今目の前にあることがつながること。
そして、「もっと知りたい」と思えたら最高。
今回、辞書を開くという、とてもシンプルな活動からも、そんな学びはたくさん生まれていました。
これからも、子どもたちの「気づいた!」「面白い!」「もっと知りたい!」が自然に生まれる時間を、少しずつつくっていきます。



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